アンゴルモア 元寇合戦記

たかぎ七彦/著

アンゴルモア 元寇合戦記の好きなところ

【講談師風の語り口で】 時は鎌倉、ところは対馬。 山の紅葉も色づき始め、冬も迫る10月の、対馬の国の船着場。 遠く各地より連れられた、強面ぞろいの罪人が、対馬の砂を踏みしめた。 それに混じった1人の男、顔つき風体話し方、そこらの流人と何か違う。 それもそのはずその男、元鎌倉の御家人の、鎌倉武士がその1人。 腕には武芸、身に教養、島の民とも和やかに、暮らしていくかに思われた。 そこへ! 現れたるは蒙古の大軍。 海の全てを埋め尽くし、島の民に攻めかかる。 舞う血飛沫と散る火の粉、逃げ場などなき島なれば、もはやこれまで決死の身。 一所懸命ここにありと、流人ともども槍を取り、蒙古の軍を待ち受ける。 果たして流人たちと、村民たちの運命やいかに!? …ふう、つい楽しくなって講談師風に書いてしまいました。 「勝ち目のない敵に全力で挑む」というのがこのマンガの魅力です。 敵と味方の戦力や地形、武器などを冷静に分析すれば勝てるはずのない戦いなのですが、それでも「やるしかない」「負けたら死ぬ」という状況なのでみんなマジになって戦います。 取り上げたいのが、その戦い方が非常に現実的で執念深いこと。 「特攻」とか「死に花を咲かす」とかではなく「1日でも長く生きる」「そのためにできることをする」というスタンスで、あくまで生き残るために戦います。 なので使えるものはなんでも使う精神で、自然の竹や木の枝なんかも武器にして、仲間になった流人の特技も最大限に活用します。 その諦めることをしない精神力と、有効な対策を次々打ち出す行動力が面白い。 「追い込まれても最後まで諦めない主人公」が見たい方はぜひ読んでみてください!

2019年 10月 18日

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